普通に飼っていたのに、ストレスで心にも身体にも変化が起きてしまったポメ話
SNSではときどき、「保護犬(猫)のbefore after画像」が流れてきますよね。「引き取ったころはこんなに険しい顔してたけど、今はこんなに緩んでます」という表情の変化。
うんうん、本当に犬って表情にでるよね~(*´▽`*)と思って見ているのですが、わがやのポメラニアン……
「普通に飼ってたのにストレスで表情が変わってしまった」ということがあります。
まず、ポメラニアンがうちに来たのは震災直後の仙台です。恐らくあのどさくさに紛れて捨てられていたんだろうと予想しています。というのも、虐待のあとがあり、異常に物音や器物におびえていたので。
でも性格は懐っこく(多少神経質な部分はあったものの)、元気で、すぐに回復したんですよね。そうして、しばらく仙台の街で暮らしたポメラニアン……あ、パンっていうんですけど。
元気に暮らしていたパンに変化が訪れたのは、5年ほど前のことでした。
当時、わたしはすでに一人暮らしをしていて、パンは実家で主に母が面倒みていたのですが、実家が仙台から東京に引っ越すことになったんです。
で、東京に引っ越して数ヶ月……
「なんかねぇ、パンくん元気ないのよ」と母から連絡が。詳しく聞いてみると、仙台と違い夜も交通量の多い土地で、なかなか寝付けないストレスじゃないか、とのこと。
心配だけどまずは様子を見ることに、なんて呑気なこと言ってたら、今度は「パンくん、歩けなくなっちゃった」と連絡が。
さすがにびっくりして、どういうこと!?!?と訊いたものの、検査してもよく分からないらしい。ただ後ろ脚に力が入らず、ガクッと動けなくなるんだとか。そして連日病院通いをしているうち、今度は皮膚病(結果的にアトピーに)。
家でもずっと黙って寝ているばかりで、実家にいた弟からも、「パンくん、死ぬかも」と連絡が来たほどでした。
それから数ヶ月、脚がちょっと回復したころ、仙台で療養兼ねて預かることにしました(私はすでに犬OKのマンションでチワックスとシーズーを引き取ってたので)
預かり始めたころのパンが、こちら。
どよ~ん、としてますね…。
しかし仙台での生活はやっぱり合っていたようで、みるみるうちに元気を取り戻したパン。アトピーは治ってないけど、歩けなくなるとか、ぐったりするとか、そういった事は一切なくなりました。
むしろめちゃくちゃ元気…。
そして家族会議の結果(何度か東京と仙台を行ったり来たりもして)、「これはちょっと東京には戻せないね」となり、そのままわたしが引き取ることになりました。
そして数年前、仙台から秋田に引っ越し。
てっきり仙台でのパンがMAXかと思っていたんですけど、さらに自然の多い場所に来たことで元気も体力もパワーアップ。
(雪も大好きで大はしゃぎします)
こちらは仙台以上に、気候も人もイヌにはストレスフリーな環境です。おかげで今では「パピーちゃん?」「まだ若い子よね~」なんて声をかけられます。(えっと、たぶん10歳くらいです…)
そうか、と。
愛情があっても、大事に育てていても、イヌにとって環境が変わるというのは本当に一大事件なんだなと。
仙台での静かな環境から東京に移っただけで、こんなにも大きくイヌが変わるとは思っていませんでした。(だって愛情はたっぷりかけていたし)
まぁでも、よく考えたらニンゲンだって合わない環境に住めばストレス溜まりますよね。そう考えたら自然なことでした。逆に良い環境に住めば、心も身体も元気になる。
眠れないとか、気候が合わないとか、水が合わないとか、イヌはニンゲン以上に敏感に反応するのかもしれませんね。東京が悪いと言っているのではなくて、「合っていた環境から、合わない環境に激変した」のがダメだったんだと思うんです。
そして、イヌもニンゲンも、すばらしい環境に移ることを恐れちゃいけないな、とも思います。
嫌だと思ったときのストレスも、好きだ嬉しいと思ったときの喜びも、イヌのように素直に受け止めて生きていきたいものです。
あれ?最初は「表情変わるのは保護犬が心開いたときだけじゃないよ」という話だったのに、哲学的な話になっちゃいましたね。
まぁ本当に、イヌの生き方はいろいろなことを教えてくれます。