犬たちを見送るためのブログ

ちょっと年老いてきた3匹の記録。

ペット同行避難・同伴避難にもっと声をあげようよ

「ペットは物じゃない!家族だ!」

 

という愛犬家のみなさま、まぁ落ち着いて。私たちはそんな感情論で戦わなくとも、ちゃんと権利がありますから……。冷静に話しましょう。え、なんの話かって?

 

ペット同行(同伴)避難のはなし、ですよ。

 

2019年10月、今年も大災害が日本を襲ってしまいましたね。そう、台風。災害がくるたびに愛犬家は犬のことを真っ先に考えます。これまでの災害でも、「何かあったらどうしよう…」「クレートに慣らしておかないと…」というSNSへの投稿がいくつもありました。しかし今回の災害では、より多くの愛犬家が「怒り」の気持ちを投稿しているのが目立っていたように感じます。

 

きっかけは、数人の被災者さんたちのこんな投稿でしょう。

 

「ペット可の避難所に行ったのに追い返された。」

「びしょぬれで犬と自宅に戻った。」

 

 

えっと、ありえなくないですか?こういった投稿をしたほとんどの飼い主さんが、事前に調べていたり問い合わせたり、きちんと準備していた印象です。それなのに、その場で「やっぱりだめです」の一言で追い返されるなんて、あっちゃいかんでしょう。しかも荒れ狂う天気のなか、動物を連れて、いや連れていなかったとしても、最悪死にますよ・・・?

 

わたしも昨晩は不安と怒りとでツイ廃と化しておりましたが(フォロワーさん、タイムライン荒らしてたらすみませんでした)、一晩経っていろいろ考えて、愛犬家はもっと堂々と権利を主張していい。という結論に至りましたので、今こうしてブログを書いています。

 

「問題」とされることをひとつひとつ、きちんと考えて、向き合っていきませんか?愛犬を守るために。

 

f:id:dogsss:20191014012742j:image

 

まず、アレルギーをお持ちの方へ。

 

今回SNSで検索をしたら、何人ものアレルギー持ちの方が不安な声を発していました。不安、というかモヤモヤしていたのでしょう。「犬が大事なのはわかるけど、アレルギー持ちにとっては命にかかわる。そこも考えて欲しい」という言葉が多かったので。

 

ただですね、ほとんどの愛犬家はめちゃくちゃ考えているんですよ。

 

「もし避難所に行くことになったら」を考えない愛犬家はいません。その想像の中で、やはり心配事といえばアレルギー持ちの方、それから犬嫌いの方のことなんです。(当然、人類すべて犬好きなんて思っちゃいませんしね、個人的には犬嫌いを悪だとも思いません)

 

だから、愛犬家のなかには自ら避難所へは行かないという選択をする人もいます。でもご存知ないかもしれませんが、現在「ペット同行避難」は環境省が推奨しているんです。つまり、国が。(ソースはセルフでどうぞ)

 

2011年、特に福島県内の動物たち・愛犬家たちに何があったか、知っていても知らなくても、きっと想像はつくことでしょう。福島では多くのペットが取り残され、宮城や岩手、その他被災地でも多くの迷い犬が出ちゃったんです。で、これはまずい!となった国が「ペット同行避難」を原則にしたという流れ。(なんでまずいって野犬化したら危ないですし、生態系に影響も及ぼしますし、被災者のメンタルにも超マイナス!ということです)

 

なので、アレルギー持ちの方の不安な気持ちもわかりますが、わたし達飼い主にも同等の権利があることも分かってください。で、今回多くの愛犬家が怒りのツイートをしていたのは、先ほど書いた「ペット可避難所へ行ったのに追い返された」という件です。まぁ中には下調べもせず行って騒いだ人もいるかもしれませんが、例外はどこの世界にもいます。

 

国が同行避難を推奨していて、飼い主は日頃から準備して、事前に調べたペット可施設に行って、追い返された・・・というわけ。怒ってる理由、わかってもらえましたか?

 

そして今、この先起こるであろう災害に愛犬家たちが思うのは、「棲み分けさせてほしい」ということ。

 

決して「全避難所に問答無用で犬入れろ!」とか「アレルギーは薬飲め!」なんて思ってないです。「ペット可の避難所」が欲しいだけです。「外につないどくならOK」なんて、今回の台風や猛暑のなかでは死を意味します。死ぬために逃げるわけじゃないです。だから屋内で、ペットと共に避難できる場所が欲しいんです。

 

(ちなみにざっくり言うと「同行避難=ペット連れてけるけど一緒に居れるかどうかは別」「同伴避難=避難所でペットと一緒に過ごせる」という違い)

 

そして何度も言いますが、今は国が「ペット同行避難」を推奨しています。だからこれまで以上に声をあげているんです。アレルギー持ちも愛犬家も、どちらも安心して避難できる国にしたいよね、という話です。

 

f:id:dogsss:20191014012832j:image

 

 じゃあここからは、お上の皆様へ。

 

まず今回の台風で、どうして「ペット可の避難所で追い返される」なんて事態が起きてしまったのですか?

 

もちろん自治体によってはきちんと対応していた場所があったのも分かっています。ですが、この事態は本来一箇所でもあってはならないですよね。あの嵐のなか、避難してきた市民を追い返すなど。「アレルギー持ちの方がいた」のでしょうか?「ペット用の部屋を準備していなかった」のでしょうか?

 

どちらも事前に準備、対策できたはずです。

 

わたし達愛犬家のほとんどが、日頃から「災害への準備」を欠かしていません。環境省ガイドラインを読み、各自治体の避難先を調べ、いざという時に備えているんです。だって、あなた方が同行避難を原則としているから。

 

それなのに、事前に調べたり問い合わせたりした人が追い返されるなんて、正直、釈明会見のひとつでも開いてもらいたいくらいです。もちろんその場で対応した職員さんに文句を言うつもりはありません。最初からおかしいんだし。

 

なぜ最初からおかしいかって、そもそもペット可避難所が無い市町村もあるからです。わたしの住む市です。秋田県鹿角市(かづのし)っていいます。

 

国がペット同行避難を原則としているのに、避難先が無い。こんな矛盾あります??

 

これは個人的な意見か、多くの愛犬家の総意となるかは分かりませんが、わたしは全市町村に「ペット同伴可の避難所」を設ける「べき」だと思っています。国民総被災の時代で、ペットを飼っている割合はだいたい3割というところですよね。

 

「ペット同伴可の避難所」が無い市町村に住む3割は、死ねってことですかね?(ちょっと感情的になっちゃいました)

 

鹿角市で言えば、周りが山に囲まれているので季節や天候によっては近隣の市町村へ行くことや県跨ぎもリスキーです。というか避難所ってそもそも近くにあるべきものでしょ?

 

そしてここでわたしが敢えて「同伴」を主張しているのは、「同行」では意味がないからです。さっきも言いましたが、暴風雨の中で軒下?猛暑や極寒の中で屋外?火山灰飛んできても?犬、即死にます。

 

ただ現時点で原則・推奨とされているのは「同行」というのも分かっていますので、あくまでもわたしの希望的主張です。でも新しい施設をどんどん作っているのだから、その辺りを考える余裕が無いなんて嘘だと思っています。ぶっちゃけ面倒なだけですよね?(ああ、またちょっと感情的に…)

 

まずせめて「同行可」としている避難所を明確にしてください。

 

ちなみに、「原則は同行避難だけど、状況によっては受け入れできない場合もある」とかサラッと書いてることも分かってるので、100%同行避難できるわけじゃないということも理解しています。でもそれ危険すぎますよ。

 

だからまずは確実に「同行可」にできる避難所を確保してください。

 

現場が混乱することくらい重々承知です。わたしも仙台で震災を経験しましたし、災害時の混乱は知っているつもりです。でもあれから8年以上も経ってるんです。そのあいだ何回災害きました?

被災経験ない人の方がそろそろ少なくなってるでしょ?いい加減変えないと、いつペット関連で死者が出てももうおかしくありません。(もしかしてもう出てるかもしれませんが)

 

f:id:dogsss:20191014012908j:image

最後はわたし達、飼い主の話。

 

権利を主張するために、義務も果たしましょう。道路や公園をノーリードで散歩させている・ワクチン義務を果たさない・ノミダニ放置……こういった飼い方をしているなら、避難所を使う権利はあっても嫌われます。個人的には同じに思われたくないのでどうぞご自宅でがんばってほしい。

 

「犬は家族」、わたしはその言葉を使うタイプじゃありませんが分かります。でも「犬と人間は同じ」ではありません。事情があって税金を納められない方と同じなわけじゃないんです。命の平等性の問題ではなく。

 

飼い主にかけられた義務は、すべて誰かの命にダイレクトにかかわります。もちろんノーリードに関してもワクチンに関しても、その義務が「そもそも必要かどうか」というところはそれぞれ違う考えがあると思いますし、あっていいと思います。

 

たとえば本音を言えば、わたしだって誰もいない広い公園くらいノーリードで走らせたい。海外の街とか見てうらやましいなぁとも思います。でもしません。なぜなら「そういう国」では無いし、そういう国にするためには「今あるルール」を最低限厳守することが大前提で、「トレーニングの義務化」も必要だとかんじるので。

 

「うちは吠えるから…」「噛むから…」と思っているなら、トレーナーさんに相談するとか、もう一歩も二歩も踏み込んだ犬との関わり方が必要だと思います。犬を愛することと大事にすることは違いますしね。 まぁちょっと話がそれましたが。

 

とはいえ、ふつうの愛犬家まで肩身狭く感じる必要は無いんです!!!!!堂々と愛犬とともに生き延びましょうよ!!!!!!!!!(あと楽しみましょうよ)

 

「アレルギーの方や犬嫌いの方に申し訳ないから車で…」じゃなくて、きちんと棲み分けでペット同伴で過ごせる避難所を作って!と主張しましょうよ!!!!!!!!!

 

犬は家族でも所有物でも、この際そこは問題じゃないと思っています。どっちにしろ、わたし達は「犬と生きること」を選んだというだけです。そしてその権利も持っているんです。

 

だったら、「犬と共に死ぬ覚悟」よりも「犬と共に生きる覚悟」をわたしは持ちたい。そのために、今回みたいなことにはきちんと怒りたい。そして動きたい。

 

犬には生きる権利があります。

 

その権利を守ることが、飼い主の役割のひとつ。その権利を守ることが、犬と共に生きる覚悟。わたしはそう思っています。アレルギーの人・犬嫌いの人がいることが、犬が災害時に放置されて仕方ない理由にはならないんです。でも現状は、そういったことを言い訳に放置されてしまっています。

 

犬が生きる権利を守れるのは、飼い主だけです。

 

正直、なんの資格もない、ただの飼い主であるわたしがどう動けるかは分かりません。ただ、ずっとぼんやり考えてるのは地域の愛犬家でサークルなど連携を取れるようなモノを作って、グループ単位で避難所を確保するとか。(信頼関係が築ければ預け合いもできる、輸血などの声掛けもしやすい、メリットが多いと思う)

 

あとはクラファンでも出来るんじゃないかと思ったりもしてる。SNSでもブログでも、ツールはもう何でもいいから、愛犬家同士が連携して社会を変えていかなければならない時だと思います。

 

ぜひ、なにか良いアイディアやアクションがあったら教えてください!

 

 

***わたしは犬しか飼ってないので「犬」に限定して「愛犬家」の話をしてきましたが、もちろん「猫」でも「愛猫家」でも一緒です。爬虫類でもなんでも認可されている生き物なら。つまり「犬」をあなたの「ペット」に変換していただければと***